【インタビュー】『お茶』から学んだ、忍耐の精神。

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今回インタビューさせていただいたのは、ベルギー出身で日本茶インストラクター兼遠州流茶道師範として活動していらしゃるTyas(ティアス)様です!!

 

 

日本語も大変流暢で、またお茶への愛が話していてとても伝わってきました。『アーティスト』としての一面も持っており、これから私たちが幸せに生きていくためのヒントもいただきました。

ぜひ、今の自分の人生に何か掛け合わせができないか、と考えながら読んでいただければ幸いです。

(T:Tyas様、筆:筆者)

 

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「それでは、これまでのご経歴の紹介からお願いいたします。」

 

T「まず最初に話すべきは、私がどのようにして日本に辿り着いたのかということだと思います。

私はもともとベルギー生まれで、剣道をやっていました。剣道をしていくうちに、だんだん日本の伝統や文化に興味が湧いてきました。

『日本とは一体どういう国なのか』という好奇心も強くなり、そこでベルギーにある大学で日本学科を専攻しました。

そして、在学期間中に、日本の勉強をしているので、日本に留学する機会がありました。その時初めて日本に来ました。

 

ベルギーの大学を卒業した後も『日本にまた行きたい』という気持ちが強かったので、関西大学の大学院に入学することにしました。

大学院には2年通い、専攻は『近世文学』というもので、主に江戸時代の文学について研究していました。

剣道はベルギーの大学時代で辞めたのですが、大学院時代では別の文化活動に勤しんでいました。空手、杖道、能楽、そして茶道ですね。

様々な方向で日本の文化や歴史を知りたいということで、まずは幅広く活動していました。

そうやって過ごしていくうちに、『自分に一番フィットしているのはお茶だ』と感じるようになったのです。

 

ただ、最初に思い描いた夢は、今の私の生き方とは違ったものでした。

大学院に入る時には、『博士号を日本で取得し、日本の大学で教授として生きる』という夢を描いていました。

しかし、2年間大学院に通いつつ、バイトを4つくらい掛け持ちして、学費を稼ぐという生活だったのです。

その生活がなかなか厳しくて、『これを博士号を取るまでの6年間続けるのは相当難しいな』と気付き、一旦そこで博士号を取得することを諦めました。

 

そして、大学院卒業後は日本で働こうという決断をしました。

私は運良く、就活をしたことがないのです。インターネットで色々な人と繋がっていて、そこでたまたま繋がったのが、現在世界的に事業展開している会社の社長で、かつ英語ができるアシスタントを探している方でした。

ご縁を感じたので、大学院卒業後まずはそこで働くことにしました。

 

どんな事業だったかというと、ヨーロッパやアメリカから来る、展示会の出展社様をアジア全体でサポートするようなものでした。

ブースのデザインから、現場監督、展示会のあらゆるサポートをしていました。

その仕事は個人的にとても楽しく感じていました。

しかし、日本にいることが少なく、また日本語を喋る機会もそんなにありませんでした。1年のうち3分の2くらいは海外にいましたね。

ちょうどその頃、私は結婚していて、1人目の子供が産まれた時期でした。家族は日本にいたので、なかなか家族との時間も取れませんでした。

 

当時そういった状況を振り返って、『なぜ自分は日本に来たのだろうか』という考えに立ち戻りました。簡単に言えば、不満を感じ始めたということです。

そして、やはり自分は日本の文化が大好きで、お茶というものを極めていきたいのだという想いに辿り着きました。

そこで、転職するべく大手転職エージェントを訪問し、『お茶屋さんを紹介してほしい』と頼みました。(笑)」

 

「それを言われたのは、エージェントの方も初めてだったでしょうね。(笑)」

 

T「難しかったでしょうが、お茶屋さんをやっている企業を2社紹介していただけました。

2つとも面接させていただいて、どちらからも内定をいただいたのですが、条件の良い方の会社に転職することになりました。そこで2015年12月まで働いていました。」

 

「そこでは実際にお茶をたてたりしていたわけですか?」

 

T「そこは宇治の老舗のお茶屋さんだったのですが、まずは販売スキルを身につけるということで、販売に従事していました。

茶室の体験をお客様に提供するというサービスもあったので、『ぜひそれをやらせてほしい』と頼み続け、少し時間が経ってからそこも任せてもらえるようになりました。

その時期は一番楽しかったですかね。

 

2015年12月にそこを辞めた理由としては、『独立したい』という気持ちが強くなったからです。今は自分独自のお茶のブランドを持ち、京都でお茶の教室を開催したり、茶道の体験を観光客向けに提供したりしています。」

 

「なるほど。まさに『お茶一筋』という感じなのですね。」

 

T「そうですね。ただ最近活動の幅も広げていて、観光案内をしたり、翻訳などをしたりもしていますね。」

 

「これまで文化的な活動もたくさんされてきたようなので、案内される方は絶対に楽しいでしょうね。。。

では、Tyasさんの将来の夢、絶対に成し遂げたいことってございますか?」

 

T「夢というか、私は『独立して生きていきたい』という想いがすごく強いのです。何かに依存した生き方がもともと好きではないので。

自分が作ったものを使って、自分の生きたい人生を生きていきたいですね。

『何かが欲しい、成し遂げたい』ということではなく、『常に自分らしくありたい』そう思っています。」

 

「素晴らしい考え方ですね。

これまで、大きな苦難や挫折を経験されたことはございますか?」

 

T「一番の苦難を挙げるとすれば、『日本企業で働くこと』だと思います。これは文化的なギャップから感じる苦難です。

日本企業で働いてみて感じたのは、『欧米の価値観と日本の価値観のギャップが大きすぎる』ということでした。特に社内のエシック(倫理)が全く違います。

日本の老舗で働いている時に、初めてそれを感じました。

私が大事にしている働き方やライフワークバランスというものは、そこでは正反対のものだったわけです。

それは自分の中で割り切れないものでしたし、自分のアイデンティティーと相容れない点もすごくありました。今振り返ってみると、当時はすごく苦労したなと思います。」

 

「それは本当によく言われるところですよね。

ではTyasさんの観点から、今の日本で問題だと感じる点は何でしょうか?」

 

T「日本の会社の中で、個々人の、そして会社自体の成長の足を引っ張っているのは『上下関係』だと思います。

なぜかというと、上下関係があると、どれだけスキルセットの高い人間が新しく入社したとしても、まずは下積みというか、『ハシゴ』の下から始めなければならないわけです。

自分のスキルを発揮できるようになるまでは、数年もしくは数十年かかったりします。これはまだまだ多くの会社で存在している問題だと思います。

 

私の考えからすると、年齢どうこうではなく、自分のスキルや能力をどれだけ会社のために発揮できるかが大事だと思っています。当たり前のことですが。

『スキルがあっても関係ない』『まずは雑務から』なんていう文化・やり方は、ビジネスという概念下では全く本質的ではないですし、それがあらゆる問題の根本的な原因になってしまっていると私は感じます。

残業の問題や、過労の問題、そういったところの問題の根本的な原因も同じだと思います。表面的なところだけ議論していても、埒があきません。」

 

「そこは僕もすごく感じるところですね。

もちろん日本人としての文化的背景もあるのでしょうが、それにしてもあまりにも欧米企業の文化や価値観とは異なりますよね。」

 

T「そうですね、一般的に欧米諸国の企業でも、肩書きとしての上下関係はありますが、それによって仕事内容が制限されたり、上司に指摘されたことは守らなければならないということは一切ありません。間違っていると思うことは例え社長であろうと、間違っていると指摘します。」

 

「なるほど。日本では、それを言ってしまうと、結果は見えてますね。(笑)」

 

T「そうなんです。そして、キャリアがそこで途絶えてしまうと、日本社会では次に行けるところがほとんどなくなってしまいます。だから余計に意見できない状況になってしまいます。」

 

「おっしゃる通りですね。。。

次の質問で、これまで大事にされてきた価値観だったり信念といったものはございますか?」

 

T「『自分というものをしっかり持つ』ということですね。周りの人がなってほしい自分にならなくていいんです。

誰しも自分らしく生きていっていいんです。それが周りに認められなくても、突き詰めれば自分の人生なんですから。そしてそれは、自分にとっても1番楽な生き方になるはずです。

 

企業に入ったとしても、『こういう働き方をしてほしい』『こういう人間になってほしい』と言われることも多いかもしれません。しかし、それだって自分らしさを発揮していっていいんです。

自分というものを押し殺して、求められた人間になろうとすることがいかに苦しいかは、それになってみれば分かると思います。私もそれは経験したので。」

 

「ありがとうございます。それでは、最後に読者に向けてメッセージをお願いします。」

 

T「人生においても起業においても、最も重要なことは『忍耐』であると私は考えています。我慢ではなく、Patienceの方です。

もっと簡単にいえば、『自分の番が来るまで大人しく待つ(我慢)』のではなく、『行動し続けて、いつか自分の成功のタイミングが来ると信じる(忍耐)』ということです。

何か物事に真剣に取り組んでいると、必ず困難がやってきます。その時に、忍耐を持っていれば、その困難を乗り越えることができるのです。

どんな大きな壁があっても、ひたすらに毎日やるべきことをやり続ける。そしてその壁をいつか乗り越え、いつか花開くのだと信じ続ける。それが重要であると私は思います。

とにかく1つ1つ、ゆっくりとでも、行動し続けてください。考えているだけでは何も生まれませんしね。

 

そしてもう1つ。『More Is Less』という言葉も覚えておいてください。ありすぎるのは良くありません。そうではなく、『Less Is More』。余分なものを削ぎ落として削ぎ落として、本質を見極めていってほしいですね。」

 

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