【インタビュー】どうせやるなら、努力が報われるフィールドで。

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今回インタビューさせていただいたのは、一般社団法人日本スタートアップ支援協会代表理事の岡様です。※『夢展望』を創業され、現在は会長職をされてます。

 

 

現在は日本にIPOのためのベンチャーエコシステムを創り上げるべく、精力的にご活動されています。

人生の大先輩ではありますが、大変気さくな方で、また若者への投資を惜しげなくされている方だという印象を受けました。

岡様のインタビュー記事を読み、少しでも多くの方が『IPO』というワードに関心を持っていただければ幸いです。

(岡:岡様、筆:筆者)

*岡様の詳しいバックグラウンドは、他記事を参照してください。

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「ご経歴の紹介は省かせていただき、早速いろいろとご質問させていただこうと思います。

まず、岡さんにとって、『良いベンチャー企業』とはどのようなものでしょうか?」

 

「どの観点から見るかによって変わりますよね。

投資する側から見たものなのか、一般の社会から見たものなのか、同じベンチャー企業から見たものなのか、はたまた大企業から見たものなのかで大きく違います。」

 

「ではそのなかで、社会から見た良いベンチャーと、投資家から見た良いベンチャーとはなんでしょうか?」

 

「まず社会から見た良いベンチャーは、そのまま『社会課題を解決するベンチャー』といえるでしょうね。もしくは『誰もやりたがらない課題解決をやるベンチャー』。

省エネであったり環境問題であったりね。もちろん最近流行りのブロックチェーンを用いて手数料を少なくしたりなど。」

 

「では、投資家から見たらどうでしょう?」

 

「投資家から見るのであれば、その投資家が持っているファンドの性格によりますね。ハイリスクハイリターンがいいのか、それともローリスクローリターンがいいのか。

銀行系のファンドなのかどうかでも、全く異なってきますね。

 

学生向けに簡単にいうのであれば、『経営者が正直』『ビジョンがハッキリしている』『何がなんでもやりきるという熱量がある』この3つの要素を持っているベンチャーが、良いベンチャー企業かな。

1番困るのは、『ウソをつく経営者』ですね。あと、『すぐに社員のせいにする経営者』。(笑)」

 

「なるほど。では『良い起業家』ってどんな起業家でしょうか?」

 

「簡単に言えば、『有言実行ができる』『人を巻き込む力がある』この2つの要素を持っている起業家かな。

やっぱりチームで決まると思います。成果がでるかどうかは。」

 

「なるほど。

ではまた別の質問で、今の日本社会で最も問題だと感じていることはなんでしょうか?」

 

「『規制』です。

そういった規制が原因で、スタートアップ企業の事業のスケールに時間が異常にかかったりしてますからね。UBERなんて典型的ですよね。

民泊だって、もっと早くやっていれば、もっと大きな好影響を生み出せたかもしれないと思います。

時間かかればかかるほど、心が折れるベンチャー企業も増えてくるんで、かわいそうやなと思いますね。まあ色々と大人の事情があったりもするんですけどね。(笑)」

 

「大人の事情かあ。(笑)

では、もう少し狭めて、今現在の日本の学生の問題点ってなんだとお思いですか?」

 

「僕らの世代って、学生起業家がめちゃくちゃ多かったんです。僕は関西学院大学というところを出ているのですが、今の関西の上場企業の創業社長は、同大学卒業者が1番多いように思います。10人以上いますからね。

ただ、最後に上場したのは、もう3年前くらいなんです。それ以降出てきておらず、これは問題だなと。

起業サークルみたいなものも今少ないみたいなので、それは寂しいなあ。

でもそのための良質なエコシステムもないし、自己破産に関する問題などもまだまだ解決されていません。

 

で、やっぱり親が反対するからね。『良い大学出したのに!』なんて。今は就職先であればいくらでもありますしね。

そりゃあ、起業はめちゃくちゃしんどいし、サラリーマンの方が絶対楽やからね。(笑)

あとは、成功に対してオープンかどうかもめちゃくちゃ影響してると思いますね。」

 

「と、言いますと?」

 

「シリコンバレーなんかは、成功者が生まれたら、シリアルアントレプレナーやエンジェルとしてどんどんオープンになります。。それを見て、若い世代が『オレもこうなってやろう!』なんて考えて挑戦していく、でも日本は反対ですよね。

『成功をひけらかすと、はしたない』みたいに思われるじゃないですか。

 

この風潮のせいで、まだまだエンジェルであることを隠す人も多く、成功者の姿をあまり見ることはできず、結果若者が憧れるような人間を見つけられなくなってしまう。

これは起業する人間を増やすことに対して、大きな障壁になっていると思います。」

 

「わかります。評価軸の1つだということは理解していますが、年収1億円以上みたいな人って結構いたりしますもんね。

でもそれは確かに自分の足を動かし続けてようやく会えたりするものなので、なかなか普通に生活していては見つけられないのだということは分かります。」

 

「変にアピールしてしまって、メディアや社会に妬みや反感を買うリスクを考えると、日本社会ではオープンにしようとする人は増えないのが当然だと思います。

で、まさに僕が今やっていることは、そういった成功者のネットワークを作って、そこに上場を目指す若手起業家を呼んで、実際に会ってもらってモチベーションを高めてもらおうと思っているわけです。まずはそこからベンチャーエコシステムを生み出そうとしています。

もうすでに何回か交流会や勉強会などの企画を行ったんだけど、参加者はそりゃあもうモチベーションめちゃくちゃあがってたね。(笑)

やはり、身近に成功者がいるのは大変重要なことだと思います。」

 

「なるほど。

しかし外的要因がある一方で、挑戦できない人には、マインド面でも大きな問題があると思うのですが、その辺岡さんはどのように考えていますか?」

 

「んー、僕の息子を見てると、『物欲がないな』とつくづく思いますね。

僕らが学生の頃っていうのは、ブランド品とか車とかタバコとか、もう色々と欲しいものがあったわけです。(笑)

でも今のうちの息子を見てみると、全然チャラチャラもしてないし、服のブランドも全然こだわってないし。価値観が全然違うんだと思います。

 

なんでかっていうと、その世代の子は、生まれてからずっと社会が不景気なんですね。

僕らのときは、バブル直前の時期だったので、イケイケやったけど。(笑)学生の頃は、高級車やスポーツカーがバンバン発売されたり、ファッションも1着10万円とかする服がめちゃくちゃ売れてた。安いと逆に売れなかった。(笑)

そういう状況下で、学生もそういうのが欲しいからアルバイトがんばって、そこで貯めたお金で欲しいものを買って、またアルバイトがんばると。そりゃ景気もどんどん良くなるわけですね。

でも今はデフレなので、どんどん景気も悪くなるし、何より今ってスマホがある。それ1つで大体のことができちゃうんです。(笑)

だからある意味、今の方が満足度は高いかもしれない。僕らの頃はすごい欲求不満やった。(笑)」

 

「なるほど。僕は満足度は決して高くないと思います。

なんていうんだろう、『望む前に諦めている』この表現がしっくりきます。大きな夢を掲げることに対して批判的になったり、『そんなのハナから手に入らない』『努力してもムダ』みたいな思考が働いてしまっているように感じるんです。」

 

「なるほどね。諦めているっていうのは近い表現かもね。

まあやっぱりそのキラキラした状況を知らんからね。ずーっと不景気なので、ある意味かわいそうだなとも思いますよ。」

 

「その状況を変えるためには、やっぱり成功者を身近に置くしかないんですかね?」

 

「そうです。生の環境ほど重要なファクターはないからね。僕の長男も今アメリカ留学してるけど、実際にアメリカで成功した日本人から直接話を聞いてやる気に火がついたようです。(笑)

 

で、あとは優秀なメンターがいるかどうかも大事なこと。

アメリカでは、メンターという存在をつけるのが当たり前になっているんです。投資を受けるというタイミングでも、『誰がメンターについているか』というのを見てから投資するかどうかも決めたりするんですよ。」

 

「へえ〜。」

 

「うちの協会にも『メンターを見つけにきました』と言って入ってくる人もいますが、そういう人に出会ったときは本当に嬉しいですね。」

 

「なるほど。

ではまた違う観点で、日本の大学生に『これはやっておけよ』と言うのであれば、何を勧めますか?」

 

「日経新聞などを継続的に読むことですかね。

ビジネストレンドをしっかり掴んでいないと、有望事業領域がどこなのかがわからないからです。

だから、ぜひ日経新聞を読んでください。」

 

「ありがとうございます。

では、もし岡さんが今大学卒業時に戻れるとしたらどのようなファーストキャリアを選ばれますか?」

 

「そりゃもう起業ですね。特にITサービス領域での起業をすると思います。ITサービスであれば、初期費用も抑えられて、リスクを低くできるんです。」

 

「まさにこれまでのご経験からの判断ですね。

また違った質問をさせていただきますが、岡さんが尊敬している人物っていらっしゃいますか?」

 

「今でしたら、孫正義さんですかね。1回しか会食はしたことないですけど、やっぱりスケールがものすごく大きいし、オーラがありましたからね。

東日本大震災のときにも、あれだけのことはなかなかできないことですよ。」

 

「間違いないですね。

では、これまでの人生で、岡さんが大切にされてきた価値観や信念みたいなものはございますか?」

 

「僕は基本、『全員賛成』という状況が好きじゃないんです。何割かの人が反対するからこそ『何くそ!』という精神を持つことができて、また責任も自分で背負う意識が芽生えるんです。

そういった状態で突き進むので、成功するときは大きく成功すると思います。何より熱量が保てるので、成功しやすいと思いますね。」

 

「めちゃくちゃわかります。ありがとうございます。

では最後に、読者に対してメッセージをお願いします。」

 

「そうですね、僕は2013年の上場前後も含めてたくさんの失敗をしてきました。10回ピボットしたので、それはつまり10回挑戦した事業が見事に10回とも失敗したということです。(笑)

そんな中でわかったのは、『レッドオーシャンではない有望事業領域で勝負すること』です。どうせやるのであれば、自分の努力が報われるフィールドで勝負してほしいなと思います。

僕は為替リスクという自身で『コントロールできないリスク』がもろに露呈して失敗したこともありました。リスク要因とその対策を事前に考えることも必要です。

 

また『撤退基準』を設けて事業を開始することも重要です。

例えば期間と投下資金上限を決めて、その期間売上や利益予算が未達の場合は即撤退してピボットするなどです。

 

その3点を意識して、投資が少なくピボットしやすいITサービスなどで起業していくことは、今の時代には有効な手段だと思いますね。

これからの人生で起業を考えている人には、ぜひそこらへんを深く考えてほしいなと思います。」

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